恵方巻きという具たくさんの太巻きが、節分の日の何日か前から、いつからかスーパーやコンビニに並ぶようになりましたね。
「招福巻」や「幸運巻寿司」「太巻き寿司」とも呼ばれ、節分の縁起物として広まっていきました。
クリスマスにケーキを、バレンタインデーにはチョコレートを食べるように、なんだか節分に恵方巻きを食べなきゃ・・・という気になっちゃいます。
しかも、食べ方に特徴があり具たくさんの太巻きを、ある方向を向いて丸かじりするという・・・。しかも、食べる間は喋ってはいけないとも、笑いながら食べないといけないとか、いろんな説があります。
よくわからないまま、縁起が良さそう・・・ということで食べていた方も、いい機会ですから由来や食べ方を知って、節分の日の恵方巻きを楽しんでみてはいかがでしょうか?
この記事でわかること
恵方巻はいつから、どこから流行った?

節分といえば豆まきが恒例ですが、では恵方巻きを販売し始めたのは、ある某コンビニからと言われてます。しかし、実は恵方巻きブームの前身となるものが、存在しました。
1983年にファミリーマートで販売スタート
恵方巻きとして、1983年近畿のファミリーマートで初めて販売されました。その5,6年後にセブンイレブンが発売。
しばらくは近畿の一部のコンビニでの販売でしたが、セブンイレブンが1998年に全国へと販売地域を広げていきました。
恵方巻きの販売を始めたのはファミリーマート、しかし全国へと販売を展開していったのはセブンイレブンでした。
2000年になると、全国の各コンビニでキャンペーンが行われ、コンビニだけでなくスーパーマーケットでも積極的に恵方巻きの販売促進に力を入れるようになります。
まだ、ブームとなって20年ちょっとですが、すでに立派な節分の行事のひとつとなってます。
恵方巻きの前身、「縁起巻」
恵方巻きの始まりは、近畿地方のファミリーマートでしたが、実は1980年代に某持ち帰り専門寿司店が「縁起巻」という名称で全国で販売し、毎年キャンペーンを展開していました。しかし、この「縁起巻」が、それほどブームとはならなかったそうです。
その数年後、コンビニが「まるかぶりの寿司」に目を付けブームを仕掛けていったといういきさつがあるようです。
いまや、コンビニやスーパーだけでなく、神社などでイベントが開かれることもあります。いつの時代も、ブームの仕掛け人というのが存在するものですねぇ。
恵方巻の由来や方角
恵方巻きを食べる習慣は、実はずっと昔からあったんですね。食べるときの方角や食べ方にもいろんな言い伝えがあります。
恵方巻きの「恵方」は神様がいる場所
恵方巻きの「恵方」とは、歳徳神(としとくじん)という神様のいる場所を指します。
歳徳神(としとくじん)は、その年の金運や家内安全を司る神様で「年徳様」「歳神様」「正月さま」とも呼ばれます。この縁起のいい神様がいる方向で事を行えばいい結果になるといわれます。

wikipediaより
歳徳神という神様は、いらっしゃる場所が毎年変わるそうです。その年の恵方は、十干(じっかん)で決まります。
十干(じっかん)とは、
十二支と合わせて干支(かんし、えと)といい、暦の表示などに用いられます。古代中国で考えられ、日本に伝えられました。
十干(じっかん) | 恵方 |
甲・乙 | 東北東 |
乙・庚 | 西南西 |
丙・辛・戊・癸 | 南南東 |
丁・壬 | 北北西 |
十干(じっかん)は十二支と違い馴染みがありませんが、恵方を西暦の1の位で確認することもできますよ。
西暦の1の位 | 恵方 |
0・5 | 西南西 |
1・3・6・8 | 南南東 |
2・7 | 北北西 |
4・9 | 東北東 |
これをみれば、今年は2021年ですから南南東に向かって恵方巻きを食べればいいってわかりますね。
恵方巻きの由来
今や大ブームになった恵方巻きですが、由来についてはいろんな説があります。
有力な言い伝えでは、江戸時代末期に大阪の船場で商売繁盛・無病息災の祈願として、節分に太巻きを食べる風習となったといわれています。
一枚の海苔で巻いた太巻きを、かぶりついて食べることから「丸かぶり寿司」とか「丸かじり寿司」と呼ばれ、1本丸ごと食べることは「縁を切らない」という意味が込められています。
こういう説もありますよ・・・
- 戦国時代、堀尾吉晴という武将が、節分の日に丸かぶりして出陣したら勝利したという説
- 大阪船場の若い衆が、遊女に巻きずしを丸かぶりさせて、大尺遊びをしていたという説
- 幕末末期、大阪船場で若い女性が好きな人と一緒になりたいと願望したことから広まった
- 1940年代、土用の丑の日にウナギを食べる習慣に対抗するため
1970年代になると、大阪海苔問屋協同組合が海苔を使用する太巻きを「幸運巻ずし」としてキャンペーンを開いたり、「巻き寿司早食い競争」を節分のイベントで開始したりして、大阪では太巻きを食べる習慣が定着していったということでしょう。
恵方巻きの正しい食べ方

節分の恵方巻き、縁起ものですからどうせ食べるなら正しく食べたいですよね!
① 正しい恵方を向いて食べる
2021年は南南東!
恵方とは、歳徳神(としとくじん)という神様がいらっしゃる場所ですので、その方向に向かって食べること。
② 食べている間は喋らない
ひとり1本づつ用意して、恵方のほうを向きしゃべらないで食べきること。「縁を切らない」ように最後まで食べましょう。お子さんは小さいのを用意してあげたらいいですね。
③ 食べている時は願い事をする。
願い事が叶う、叶わないは別にして、家族で節分の行事として恵方巻きを食べるのは、なんだか楽しいではありませんか?
食べたあと、何を願ったの?とか話し合いながら楽しみましょう♪
いろんな恵方巻き

一般的な恵方巻きは、具材が7種類。
かんぴょう・しいたけ煮・伊達巻・うなぎ・桜でんぶ・エビ・きゅうり
しかし、今はいろんな具材がはいったものが店頭に並んでいます。ちょっと変わった恵方巻きもあるんですよ・・・。
【中島水産の金箔巻き 15,800円】
【イトーヨーカドー25種類海鮮極み巻 5,378円】
【くら寿司 まるごといわし巻 350円】
【人形町今半 ローストビーフ・ヒレ・アボカド巻き 5,400円 】
【魚耕 海宝巻 10,800円】
豪華な恵方巻きもあるんですねぇ”(-“”-)”
恵方巻きのまとめ
恵方巻のブームって、ここ20年ぐらいのことと感じていたのですが、歴史をたどっていくと似たような風習が古くからあるんですね。
無病息災や家内安全を願い幸せに暮らしたいという人々の思いは、今も昔も変わらないと思いました。
さぁ、今年の恵方巻きはどんな具材を巻きますか?何を願いますか?